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第117話 会社から見た二人

Author: 花柳響
last update publish date: 2026-09-26 06:00:55
 その夜、夕食を作りながら何度か画面を見た。会社の通知と通販の発送連絡だけで、景都の名前は動かない。玄関のチャイムも鳴らなかった。来ないでと言ったのだから当然だ。薬はあるか、食事はしたかと聞かれないことまで、自分で選んだ。

 シャワーを浴び、髪を乾かし、ベッドへ入る。

 予定表には仕事しかなく、土曜の欄も空いている。景都が勝手に埋めないことを望んだのは私だった。

 言った言葉がそのまま現実になるのは、思っていたより静かだった。

 一日目は、本当に楽だった。

 帰宅時刻も夕食も、自分だけで決められる。誰かの返信を待たず、資料を直し、眠くなったら寝た。もともと一人暮らしなのだから、何も変わっていないはずだった。

 二日目、冷蔵庫にヨーグルトが二つ残っているのを見て、賞味期限の遠い方を奥へ戻した。景都が来る予定はない。意味のない動作だと分かってから、手前の一つだけを食べる。

 夜、面白い広告を見て反射的にスマートフォンを開いた。送る相手を選ぶ画面で指が止まる。

 景都とのトークは、最後の仕事連絡で動かなくなっていた。その上には、空港の便名、蕎麦屋の場所、意味のない写真が残って
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